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リバースメンター 若者の話に耳を傾けよ

なぜ50代の人は、若者の話を黙って聞かなければならないのか?普通なら逆ではないかと思うかもしれません。今までの人生経験や数奇な体験、修羅場や砂を噛む思いの数々など、若者たちに語って聞かせる話は枚挙にいとまがないはずです。

ただハッキリ言います。そんな話、若者は誰も聞きたいとは思っていません。身も蓋もない言い方ですが、紛れもない事実です。それでも、そんなことはないぞ会社の部下や後輩はいつも関心して聞いてくれている、と言う方もいるかもしれません。

あなたの話は確かに、貴重で素晴らしい体験談なのでしょう。あなたにとっては、自分史を飾る尊い1ページであることは否定しません。ただその話、もう今すぐやめてください。それは、話をされた相手が迷惑だ、という理由だけではありません

その武勇伝みたいな話は、話せば話すほど、あなたのこれからの成長や可能性を閉ざしてしまう大きな原因となるからです。時間は有限です。あなたが人の時間を奪って話している間は、あなたの学びはあるのでしょうか?考えてみてください。

一緒にいる相手が若者ならば、あなたは若者の貴重な話を聞くチャンスをみすみす捨ててはいけません。さあ、あなたが昭和30年代後半から、昭和40年代前半の人間ならば、今すぐ自分の話はやめて、若者の話に耳を傾けてください。

それが第2の青春のスタートラインです。

50代の系譜(我々は何者なのか)

諸説あると思いますが、ざっくり世代でみてみると、以下のようになります。

【団塊の世代】1947~49年生まれ    70代
【新人類世代】1950年後半〜64年生まれ 60代
【バブル世代】1965~69年頃生まれ   50代
【就職氷河期世代】1971~82年頃生まれ 40代
【ゆとり世代】1987~2004年生まれ   30代
【ミレニアル世代】1980年代以降生まれ 30代

1960年代生まれの新人類世代からバブル世代がメインで、30代前後でバブル崩壊を目の当たりにした方が多いのではと思います。こと就職に関しては、一世代下の氷河期世代の人には申し訳ないぐらい苦労をしたという記憶がないです。(もちろん人にもよる)

また団塊の世代が、バブル景気に向かって日本全体が右肩上がりの成長と高揚を感じたのに対して、我々50代は社会人になった頃からすでにバブルでした。すでにバブルも成熟期を迎えていて、贅沢(潤沢な経費!)が日常と言える状況でした。

いきなりバブルのピークを迎えた社会人人生、あとは緩やかな下降線をたどる一方です。「自立心がない」「依存体質」などと言われ、一部は気性が激しく「クラッシャー上司」や「モンスターペアレント」と呼ばりたりしている、(wikipedia調べ)らしい。

何ともひどい言われようだが、我々50代にその認識はあまりない。まあ確かに、私の周りの同世代の同僚をみていると、ナカナカのパワハラ上司や自分に甘く部下に厳しい者が多い気がする。そう考えると、我々50代は、他の世代からみたら、飛んだ迷惑野郎なのかもしれない。

50代にとって必要なこと

我々50代にとって必要なことは、多様性を認めることであると思う。今風に言えばダイバーシティである。60代、70代はすでに逃げ切り体制で、老後の問題は少ないのでスタイルや価値観を変える必要はない。

しかし我々50代は、あと10〜15年の現役期間(定年65歳として)プラス10年ぐらい働かなければ到底暮らしていけない。人生は100年もあるのだ。

あとざっくり20年、所得と尊敬を維持向上していかなければ、惨めな人生を送ることになってしまう気がするのです。「働き方改革」や「ハラスメント防止対策」など国が推奨している昨今、得意の気合と根性は過去のものとなってしまいました。

そしてコロナであっという間に世の中ガラリと変わってしまった。仕事はもっぱらテレワーク。リモートで存在感は薄れていないだろうか。チャットでの会話についていけなければ、いないも同然です。1周遅れで議論に参加ではチームの足を引っ張っている存在になってしまいます。

見栄っ張りも多いこの世代ですが、もう一度、あの頃のように「素直さ」と「謙虚さ」を取り戻そうと言いたい。そして若者から新しい時代を学びましょう。今の時代を作っているのはすでに若者であることを認めるのです。

デジタルネイティブに学べ

いわゆる「ゆとり世代」はアメリカで言われる「ミレニアル世代」と重なる。「ゆとり」「さとり」「ロスジェネ」など細かく分類することもできるが、ここではざっくり1980年〜2000年生まれを「ミレニアル世代」とする。

ミレニアル世代は、デジタルパイオニアでありデジタルネイティブでもある。デジタルにおいて高い感度とスキルを有している。我々のように大人になって、Windowsや携帯、スマホが次々と登場したわけでなく、物心ついた頃には自然に手にしていたのです。

さらに、その後のZ世代は、2歳児にしてスマホやiPadのパスワードを解除してYouTubeを見ているのである。10年後にはZ世代が世の中を作っていくことになるのは間違いない。その時、あなたはどのように生きていくつもりですか。

ミレニアル?ミレニアムじゃないのか!ロスジェネは半沢直樹で聞いたことがあるが、Z世代はヒーローものか?などと思った方がいたら要注意です。完全に時代遅れになりつつあります。今すぐググってください。

我々の強みを活かす!

少し煽りましたが、若者がデジタルに精通しているならば、我々にも武器があります。若者と比べても圧倒的な差がある能力、それは「問題解決力」です。長年社会で揉まれながら、上司攻略、部下育成、仕組みの構築、クライアント対応などなど、難しい問題を次から次へ解決してきました。

問題解決力の高い我々が、現代の英知であるデジタルを制覇すれば、ほぼ無敵ではないでしょうか。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、「鬼に金棒」であることは間違いありません。少なくとも「宝の持ち腐れ」にしては絶対にいけないのです。

情報感度テスト

「エモい」は、ポジティブな表現なのか、ネガティブな表現なのか。50代の皆さんは「エモい」と言われたら、どのような反応をしますか?一瞬「エロい」と言われたと思い焦ったりしないでしょうか。

「清く正しく美しく」育ってきた我々世代が、このような言葉に抵抗があるのは分かります。しかし、これを受容し、興味関心を示すことがとても大切です。単にけしからん!と否定することは、老害一歩手前か、老害初心者です。

老害認定を受けたら、後は孤独な人生まっしぐらとなることでしょう。気難しい顔をして、「最近の若い者は…」とブツブツ言っている人生になんの価値があるのでしょうか。時代は変わる、我々も変わり人生をエンジョイすることが、良い人生と言えると思うのです。

年下の友達を作ろう

会社の部下や後輩でもいいですが、若者と一緒の時、飲み会やプライベートでは、フラットな関係を構築しましょう。偉そうにしたり、上から目線になってはいけません。肩書を捨て、自分らしさを全開すれば、誰にでも慕われる良き壮年男子になれます。

人当たりが良いのは我々世代の特徴でもあります。上司や先輩、クライアントに向ける笑顔を部下や後輩、新入社員にも向けてください。柔らかい物腰になっても、あなたを馬鹿にしたり、舐めた態度をする若者はいません。仕事にも全く影響しないでしょう。安心してください。

ランチ、飲み会、帰り道、喫煙所あらゆる場面で、話を聞くのです。徹底的に聞くのです。若者の価値観、流行っているもの、好きなもの、習慣などなど、今まで気にもしなかったことが興味関心に変わります。

まあ、いきなり若者言葉を使い始めたら、周りは引くと思いますが、正直年齢なんて気にする必要はありません。どっぷり若者の沼にハマってみましょう。

まずは、流行りのユーチューバーを聞いて、帰宅したらそっと覗いてみるのです。お遊び系からグルメ系、そしてビジネス系に辿り着いてください。30才前後の若者が、素晴らしい発信や解説をしています。

あなたの世界は一気に広がり、無限の可能性を手に入れられるはずです。

まとめ

①会合や飲み会では、自分の話はせず、若者の話を徹底的に聞こう

②若者には、偉そうにしたり、上から目線になったりしないように

③若者がやっていることを体験しよう