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信頼残高どれくらいですか? 上司部下の関係性の鉄則

上司の皆さん、部下を信頼していますか?そして部下の皆さん、上司を信頼していますか?組織の成果において、社員同士の信頼関係がとても重要になります。

組織の本質とは、「生産性が上がること」です。2人以上の人が集まり、人数以上の成果を上げることが組織化する目的です。そして一人ひとりが役割を果たすことにより、成果となるのです。

3人が集まって、2人分の成果しか上がらないのであれば、3人集まる意味はありません。3人が集まったら、3人以上の成果を出すことが組織には求められます。

集まった3人は、それぞれ分業し、個々人では達成できなかった生産性を実現することになります。もちろん仕組みが大切ですが、人と人が集まると、そこには必ず人間関係が生まれます。

この人間関係により、組織の生産性がとても左右されます。なぜならば、人には感情があるからです。感情が生産性を左右するとも言えます。

ほとんどの人の場合、特に仕事中影響をうけるのは、直属の上司です。上司の部下への動機付けにより、その組織は成果を出せるチームとなります。

そして、その動機付けに欠かせないのが、信頼関係ということになります。この信頼関係について、今日は考察していきましょう!

信頼のプロセスを考える

人と人が出会って、すぐに信頼関係ができることはありません。直感でこの人は信頼できると感じることが、まれにあるかもしれませんが、基本的には、次のプロセスを経て信頼にたどり着いています。

それぞれどんなプロセスがあるのか確認していきましょう。

警戒

初めて人に会う時、自然にどんな人だろう?と感じます。変な人じゃなきゃいいな、とか、めちゃ怖い人だったらどうしようとか、考えてしまうのが人間です。

疑心

会って話をすると、とてもいい感じの人だとしても、しぐさや言葉の節々から感じた違和感で、もしかしたら、この人裏がある?とか、ネコ被ってない?とか疑ってしまいます。

親和

その人の感情のブレや思考や行動のクセがわかってきて親近感を持つと、安心して対峙できるようになります。この人のことをもっと知りたい、一緒にいたいと好意的に感じている状態です。

信用

過去の事実や実績で生まれます。あの人は時間をいつも守るとか、話を真剣に聞いてくれるとか、実際に見聞き体験したことをベースに判断されます。社会的信用という場合は、所属や経歴によってもたらされることも多い。

信頼

もろもろのことを踏まえ、その人が今までやっていなかったことに対しても、無条件で信じることができます。この件は、あの人の意見を聞いてみようと思ったり、あの人に任せようと自然に依頼できる状態です。

コミュニケーションはお互いの位置が大切

信頼のプロセス:警戒⇄疑心⇄親和⇄信用⇄信頼

人と人が対峙した時、お互いに相手の様子を感じ取りながら、この5つの箱のどこかにセットされます。そしてこの相手がどこにいるかがコミュニケーションをとる上で大切な条件となります。

上司は言います。私は部下を信頼しているし、部下も私を信頼しているはずだと。

本当でしょうか?

このような上司は、部下が状況に応じて5つの箱を行き来していることに気づいていません。

どういうことか?

例えば、どんなに信頼関係が強い上司部下であったとしても、上司からちょっと2人きりで話をしようと改めて言われたら、部下はどのような心理状態になるでしょうか?

さっきまで、信頼を寄せていた状態だったが、一気に警戒モードになるはずです。「なんだ?人事異動か?」とか「なんかミスしたかな?」となど、聞く前から警戒感がふくらみます。

このように、上司=部下を信頼、部下=上司を警戒というシーンは多く見られます。このことに上司が気づくかどうかは一つのカギとなります。

このまま部下が警戒のまま、話を進めると、上司の意図がしっかり伝わらなかったり、ネガティブに捉えられたり、動機付けが上手くいきません。

上司は部下の心理状態を把握し、まず部下をリラックスさせ親和の状態に戻すことが必要になります。

ハラスメントのメカニズム

上司=部下を親和で、部下=上司を疑心だった場合、上司としては、仕事モードからリラックスモードに切り替えのつもりで発した一言が、大変な事態に発展するかもしれません。

上司がいくらオープンマインドで親和でも、部下が親和のふりをしていて本当は疑心であることに気づかず言ってしまった、余計な一言が、セクハラであったりパワハラになってしまったりします。

特に、飲み会など注意が必要です。部下はオレを慕っているとか、尊敬しているなんて考えは絶対に持つべきではありません。部下はあなたが何らかの権限を持つ上司だがら、つまらない話であっても合わせているだけです。

上司であるあなたは、肩書きがなくなっても、部下が同じように接してくれる自信がありますか?会社を定年退職になった後でも、飲みに行こうと誘えば、本当に喜んで参加してくれるでしょうか。

信頼関係の築き方(肩書きを捨てろ!)

上司と部下はどちらが人間としての価値があるのでしょうか。一瞬、上司かなと考えてしまうかもしれませんが、人間の価値は誰でも一緒です。孫正義もイチローも、人間としての価値は我々と一緒です。

人間としての価値は一緒でも、与えられた役割の対する能力発揮によって、名声や報酬が変わってきます。今まで積み上げてきた成果により、多くの人から信頼されるようになるのです。

上司も部下も単なる役割と考えなければいけません。当然役割と報酬はある程度連動しますが、人間の価値や偉さは関係ないのです。与えられた役割に対しての能力発揮だけが、信頼のプロセスを本当の意味で動かせることになります。

優しさ、従順さ、厳しさ、威圧では、信頼関係を築くことはできません。上司も部下も与えられた役割をどれくらい果たしているのかが、信頼関係を築くカギとなります。

役割を果たすことは、自分自身と向き合うこととも言えます。人の顔色を見る暇も他人を羨む暇もありません。

自分自身が本当にやるべきことに焦点を合わせ、そこに向かって努力をしていれば成果がでます。そしていつの間にか、周りに信頼される人間になります。

上司は上司の役割を果たし、部下は部下の役割を果たす。このシンプルな構図が、上司部下に信頼関係を築き、成果の出せる組織になるのです。

まとめ

  • 組織の本質は、生産性が向上することにある
  • 信頼関係がないと成果は出ない(生産性が上がらない)
  • 上司は勘違いしていることが多い
  • 役割を果たすことが、成果につながり、信頼関係へとなる

最後までお読み頂きありがとうございました!